時制の一致をどう訳す

英語では、主節と従属節の時制を一致させます。

時制とは、動詞の形を過去・現在・未来のいずれにするかということ。
詳しく言うと、完了形と進行形の分岐があるが。

例文は、「高校総合英語 Harvest」から引用

例文

I thought he was sick.

訳し方

ゆっくり低速で、日本語に訳するときは、主節は「過去・経験(た)」、従属節は「状態の進行(いる)」でかまいません。試験で訳文を書くときは、得点を得るために低速訳にします。

でも、理系の英語が推奨する、高速訳では、英語の時制のまま訳します。高速なほうが、はやく意味が取れて、試験では高得点会話では良いコミュニケーションにつながるからです。

さらに、日本語では、時制を一致してもしなくても、ほぼ同じに意味がとれるからです。意味が通じてしまう理由は、日本語に厳密な意味の時制がない (参考 参考)からです。

低速訳

(私は)彼は病気だと思った。

(病気)「だ」は、断定の助動詞
(思っ)「た」は、過去・経験の助動詞

高速訳

私は思った、彼は病気だったとダヨ。

例文

I knew he had broken the window.

高速訳

私は知っていた、彼がその窓を(ずっと前に)壊したことをダヨ。

過去完了の雰囲気を出すために(ずっと前に)を入れました。

低速訳

(私は)彼がその窓を(ずっと前に)壊したことを知っていた。

注意

次の例文の訳を考えてみましょう。

"had broken"でも"broke"でも日本語が同じ「た」です。


例文

I knew he broke the window.

高速訳

私は知っていた、彼がその窓を壊したことをダヨ。


低速訳

(私は)彼がその窓を壊したことを知っていた。

雑感


私が、わざと同じ訳にしているのではありません、
「高校総合英語 Harvest」でも、過去形と過去完了は、同じ「た」で訳されています。

日本語に厳密な意味の時制がない (参考)からです。
つまり、英語と日本語は一対一でないのです。

私が40年前学校で習った説明が、古い英文法解説のサイトにあります。当時の納得できなかった説明がそのまま掲載されていて、嬉しくなります。もちろん今もこの説明には納得がいきません。

私の結論は、

英語の時制の意味を可能な限り正確な日本語にするなら日時・時刻を明確に差し込まないと絶対に表現できません。ところが、英文も日本語文も日時・時刻なんで面倒なので差し込みません。
ということは、翻訳という行為そのものが、かなりいいかげんなものなんですよね。

ということです。

理系の英語には、翻訳行為がいいかげんなものだという認識を持っていても、英語を速く理解できるようになろうという目標があります。


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